15年位前に出版された本に、本当だったら面白いエピソードが紹介されています。
ちょっと怪しい内容なんですが、書かれているのはこの本です。
書名「幕末・維新 知れば知る程」、発行元「實業之日本社」、監修者「勝部真長」
どんな内容かと言いますと、この本の冒頭で1858年3月に長崎海軍伝習所にいた勝海舟が、咸臨丸で薩摩に行く訳なんですが、斉彬公と船内で食事をしたんです。
この時に勝が、「これから琉球を見に行くんだ」と言うんですね。
薩摩藩は琉球で、明・清(中国)と200年以上密貿易を行っていたというのは有名なところだと思います。
これを幕府も黙認している訳ですが。
過去に斉彬公は前半主斉興の密貿易の資料を阿部正弘に提出していますしね。
ただ、この本に書かれているのは、斉彬公が西欧諸国とまで密貿易を行おうと計画しており、琉球王名義でフランスから商船や軍艦を買ったり、西欧に留学生を派遣しようと考えていたというものです。
あくまでも計画上の話なんですが、そこら辺の話の信憑性なんかは今後調べる事とします。
先程の勝の「琉球を見に行くんだ」という発言に対して、斉彬公は「琉球には幕府に知られたくない事があるからそれは困る」というんです。
そして、斉彬公は密貿易(西欧諸国との)、軍備の事などを正直に打ち明けた事になっています。
まぁ、その時の琉球の具体的な状況が全く書かれていないので、何がどうまずいのかが良く分からないのですね。
そういう構想があっても、軍艦や見られては困る武器があるという訳でもなさそうですから、ちょっと謎です。
勝は即答はしませんでしたが、同乗の幕臣に悟られないように上手くごまかして琉球行きを中止します。
開明的な斉彬公の考えに同調したから、という事なんですが、バレたら勝の身が危うい事ですよね。
こういう記録が薩摩側にあるとは思えませんから、勝海舟の談話を編纂した「氷川清話」にでも書かれているのではないかと思うんですけどね。
これは読んだ事がないので何とも言えないのですが、ホラ半分みたいな評価をしている人もいますね。
今度読んでみようと思います。
こういう逸話っていうのは話の出所が分からないと何とも言えませんねぇ・・・的な話でした。